ペットを連れて海外へ行くこと。まだ日本ではポピュラーな事ではありませんが、
海外では、機内同伴でペットと一緒に飛行機に乗ることが出来る航空会社も多く存在します。
海外への渡航がようやく現実的となってきた今、大切なペットと一緒に海外旅行へ行くことも夢ではありません。ハワイにだって、機内に乗せて一緒にフライトさせる事だって決して難しいことではないです。
「ペットを飼っているから海外旅行は半ば諦めていたけれど、一生に一度の憧れの海外挙式に愛犬を連れて行きたい!」なんて事も起こりうるかもしれません。
大切なペットと一緒に海外へ行くことが出来たら、多くの選択肢が増えるのではないでしょうか。
このブログでは、日本出国の際に必要な①ペットを海外へ連れて行くための手続きの方法と、②飛行機に乗る方法
日本入国の際に必要な③現地で必要な手続きの3つに分けてご紹介していきます。
※ただあくまでも、安易な考えで海外渡航にペットを同行させる事を推奨しているわけではありません。ペットへにも人間にも負担がかかります。みなさんとペットにとって”良い選択肢の1つ”となることと、実際に検討されている方の参考になれば幸いです。
今回は、①の動物検疫についてになります。
日本における手続き・必要書類
まずは日本にいる間にすべき出入国に必要な手続きを、実際に行った際の写真と共にまとめていきます。
(相手国の入国条件によっては、下記以外の処置等が必要になる場合があります。)
各渡航先への入国の条件は事前に相手国の大使館等(外部リンク)又は相手国の検疫当局で確認してください。
(動物検疫所の該当ページもこちらに載せておきます。)
1.マイクロチップの装着
まず1番はじめにすべき重要な準備は、マイクロチップの装着をすることです。
マイクロチップ番号が照合できない動物は180 日間の係留検査となってしまうため、大切なペットを一緒に連れて帰る為にも大切な事項になります。(特に、犬の場合返送されてしまいます。)なぜ1番はじめにする必要があるのかというと、海外輸出入時に必ず必要となる狂犬病の予防接種が、マイクロチップ装着後から数えて2回必要だからです。
狂犬病の予防接種を2回終えていても、マイクロチップ装着後でなければ回数に含まれない事が日本の法律で定められています。
ただし、マイクロチップ装着前に行った狂犬病の予防接種歴の政府機関照明書があり、2回目の予防接種同日に採血した抗体価検査で基準値をクリア出来れば、条件を満たしたとみなされます。(ちなみに我が家はこちらに該当しました)
2回の予防接種の間隔にも、30日以上、1年以内という規定があるので海外渡航を考えている方は、まず初めにマイクロチップを装着するよう順番に注意しましょう。
費用:登録費用¥1,050 (別途、動物病院の診察料、マイクロチップの装着費用)
2.狂犬病の予防接種(2回)
マイクロチップ装着後、1度目の狂犬病予防接種、その後30日~1年以内に2回目の予防接種を受けます。
接種を受けたクリニックで、
・狂犬病抗体検査証明書(兼申請書)に必要事項を記入してもらう
狂犬病検査証明書に狂犬病の予防接種の履歴・マイクロチップの情報、獣医師のサインをもらってください。必要ない国もあるかもしれませんが、日本語の書類と英語版2部を印刷し、2枚に書いてもらってください。
申請書はこちらからダウンロードできます。(生物化学安全研究所HPより)
【国内版(日本語)】狂犬病抗体検査証明書(兼申請書)
【国内版(英語)】狂犬病抗体検査証明書(兼申請書)
・血清を準備してもらう
ワクチンの抗体を調べるために血清を作ってもらいます。こちらは発送まで冷所保存をし、発送時も必ずクール便で発送しましょう。
費用:狂犬病の予防接種代金(相場1回の接種代金¥3,000~5,000)×2回
3.狂犬病ワクチンの抗体価検査
日本の農林水産大臣が指定する検査施設に送り、狂犬病に対する抗体価の検査を受けます。
日本で指定された検査施設は国内で1つのみ、神奈川県にある生物化学安全研究所になります。
住所 :〒252-0132 神奈川県相模原市緑区橋本台3丁目7番11号(3-7-11 Hashimotodai, Midori-ku, Sagamihara, Kanagawa, 252-0132, Japan)
TEL :+81 (0)42 762-2819 FAX :+81 (0)42 762-7979
E-mail :rabies@riasbt.or.jp
【送付するもの3点】
・申請書類(日本語・英語各1枚ずつ)
・血清
・検査費用を振り込んだ際の明細書(コピー可)
の3点をクール便で発送します。
2頭以上検査する場合、書類は1頭ずつにそれぞれ日英2枚、検査費用はペットの頭数分必要になります。
送付後1~2週間ほどで検査結果が届きます。
0.5IU/ml(血清1mlあたり)以上で基準値クリアとなり、検査結果は採血日から2年間有効です。
費用:1頭あたり¥13000 (+送料¥1000程度)
▽施設の検査概要ページも載せておきます。不明点ございましたらHPをチェックしてみてください。
4.検疫所へ事前届け出の提出
管轄の検疫所のHPより必要書類をダウンロードし、届け出をします。
その際必要書類は郵送ではなく、メールやFAXで事前申請と書類の内容確認を行い、手順5の臨床検査時には不備の無い状態の書類を持参します。
それぞれの管轄の検疫所はこちらになります。(検疫所HPより引用)
必要書類は全て管轄の検疫所で不備の無いよう、1から10まで細かくチェックしてくださり、日本出国後も渡航先で用意してもらった書類をメールで確認してもらう等、帰国までサポートしていただけます。おかげでとてもスムーズに、安心して帰国することが出来ました。
但し、渡航国の検疫所や専門機関等は国内検疫所では問い合わせできないので自身で調べましょう。
輸出・輸入の申請を同時に行う
輸出・輸入それぞれに必要な書類をダウンロードし申請を行います。
輸出申請に必要な書類
輸入申請に必要な書類
犬の輸入検査申請書(Application for Import Inspection of Dogs)(PDF:103KB)
申請後変更徐行があった場合はこちらの書類が必要になります。
(ダウンロード書類は全て「動物の輸出入に関する届出書」の様式を動物検疫所ウェブサイトから引用しています。)
到着検査時に、書類の不備で輸入できなくることを防ぐため、日本帰国(輸入)時に必要な以下の書類
Form RE :PDF(PDF : 75KB)
ATTACH : Form RE(PDF : 75KB)
〈記入例〉
以上の書類を全て記入し、管轄の動物検疫所にメール(スマホで書類を撮影したものでOK)またはFAXで送ってください。書類に不備が無ければ、次項の検疫所での検査です。
費用:なし
5.出国前の臨床検査
渡航前1週間~2日前に検疫所に予約を取り、ペットの健康状態や書類の最終チェックを行います。
検疫所は、利用する空港(港)内にあります。(または隣接しています)
【必要な書類】
・マイクロチップ装着証明書
・狂犬病予防接種証明書
・狂犬病抗体検査証明書(兼申請書)
・輸出検査申請書
・輸入の届出書
・From RE
・その他必要書類(渡航先相手国によって必要な書類がある場合や委任状等、動物検疫所から案内された書類)
▼こちらが実際に持って行った書類です。(個人情報多めなのでモザイク処理ばかりですみません)
これらの書類と、渡航の際にペットを入れるケースも持参してください。
輸出検査終了後、英文の輸出検疫証明書が発行されます。
照明書と一緒に発行されたタグは必ずペットケージに装着してください。
費用:なし
以上が、ペットを海外に輸出入する場合に必要な事前の手続です。
事前の検査が済めば、あとは出国当日検疫所へ行く必要はなく、直接航空会社のカウンターへ行き飛行機の搭乗手続きができます。
私も初めての事でとても不安でしたが、動物検疫所の方や生物化学安全研究所の方がペットが問題なく渡航(帰国)出来るようサポートしてくださったので、今こうしてブログを書くことが出来ています。
動物検疫所のサイト内によくある質問への解答が載っているので、不明な点等ございましたらこちらもチェックしてみてください。
最後に・・・
最後にこれを見て頂いた方に、少しだけ伝えたい思いとお願いがあります。
コロナになってからのこの2年間、人の価値観、考え方の違いについて深く考えさせられる日もあったのではないでしょうか。
人の価値観は人それぞれで、ペットと飼い主さんとの関係もそれぞれです。
動物が苦手な人も同じ空間に存在し、動物を家族のように思う人も存在すること。
私たちは同じ場所で暮らしています。
理解しあうことは難しくとも、お互いを尊重し、どうかお互いの価値観全てを否定しないで欲しいのです。
ペットを置いて海外旅行中の誰かのSNSを目にし、ペットが今どうしているのか、ついつい批判的な目で見てしまうことがあるかもしれない。
ペットを荷物室に預けてる人を見て嫌な気持ちになってしまう人、私のように機内同伴させている人に嫌悪感を持つ人もいて当たり前。
価値観も、本当の事も本人たちにしかわからない。全て人それぞれ。
分からないことを想像して、決して憶測で非難の声を浴びせることのない世の中であってほしいと願っています。
目に見えるものが全てとは限らないから。
私自身、海外渡航理由や同行の経緯等、その全ては公開していません。SNSにはあげていないことの方が多いです。
ですが、今回の渡航時にペットを貨物室に乗せ、自分が行きたいからって旅行に連れて行くなんてと1通の批判的なダイレクトメールに、とても悲しい思いをしました。
実際は機内で同伴させており、私が渡航した時期、韓国には旅行者の入国は許可されていない状況でした。
言う側も言われる側も、このような悲しい経験をしてほしくないので、ペットを飼っている人が海外へ行くことに対するそれぞれの価値観はセンシティブで、他人が憶測で測れるものではないかもしれないのだと言うことを記させて頂きました。(とは言っても本当に難しい課題ですよね。)
そして、ペットを連れて海外渡航を予定している方、トラブルと後悔、周りの人のご迷惑になるようなことのないよう十分に気を付け、あなたが大切だと思うもの(こと)と、素敵な時間をお過ごしてください。
今後も、海外でのペット同伴可能な飲食店や、滞在先等をご紹介していきますね。
それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました。